税務書類の正確な作成や期限内の提出は、企業が負う重要な義務です。
税務書類に誤りや不備があると、税務署から指摘を受けたり、本来受けられるはずの優遇措置を受けられなくなったりするリスクが発生します。
今回は、税務書類の種類と、作成方法について解説します。
税務書類の種類①決算書類
決算書類の概要と作成方法は、以下の通りです。
決算書類とは?
決算書類とは、日々の売上や経費を集計し、最終的な会社の利益などをまとめた書類の総称です。
代表的なものとして、期間内の収益と費用のバランスを表す損益計算書や、決算日時点での資産や借入金の内訳を示す貸借対照表が挙げられます。
法人の場合は、各勘定科目の具体的な中身を詳細に書き連ねた勘定科目内訳明細書や、法人の概況を記載した法人事業概況説明書などの作成も必須です。
決算書類は、税務署へ税金を申告するためだけではなく、金融機関から融資を受ける際の審査や、取引先からの信用度を測るための客観的な指標としても重要な役割を担っています。
決算書類の作成方法
決算書類を作成するためには、日々の記帳を正確に行っていることが前提条件となります。
決算日を迎えた段階で売掛金や買掛金の残高が実際の取引データと一致しているかを確認し、決算整理仕訳を行います。
現代の実務においては、クラウド会計ソフト等に日々のデータを入力し、決算ボタンを押すことで自動的に損益計算書や貸借対照表のフォーマットが生成されることが多いです。
ただし、重複入力などのリスクはあるため、最終的には人間による整合性の精査が欠かせません。
税務書類の種類②申告書
決算書類によって自社の利益額が確定したら、国や地方自治体へ納める税金を計算するために申告書が必要となります。
申告書の具体的な内容や作成方法は、次の通りです。
申告書とは?
申告書とは、決算書で算出された利益に税務調整を加えて、最終的な税額を算出・申告するための書類です。
法人が申告書の提出を求められるのは、主に以下の税金についてです。
- 法人税
- 地方法人税
- 防衛特別法人税(令和8年4月1日以後開始事業年度より)
- 法人住民税
- 法人事業税
- 特別法人事業税
- 消費税
個人事業主の場合は、毎年2月から3月にかけて提出する所得税の確定申告書や消費税の申告書が代表的です。
申告書は税金の種類ごとに書式が指定されており、それぞれの規定に従って正確に算出する必要があります。
申告書類の作成方法
申告書類の作成時には、決算書上の利益と税法上の所得とのズレを修正する計算書の作成実務が中心となります。
この税務調整の手続きは専門性が高く、最新の税制改正のデータを反映させねばならないため、国税庁の電子申告システム(e-Tax)や専用の税務申告ソフトを活用して作成するのが一般的です。
法人であれば、作成した申告書を事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に、それぞれの管轄である税務署や都道府県税事務所、市区町村へ提出します。
税務書類の種類③届出書
税務書類には、過去の数字を報告する決算書や申告書のほかに、今後の税務上の取り扱いを事前に申請・報告するための届出書が多数存在します。
届出書の概要と作成方法は、以下の通りです。
届出書とは?
届出書とは、新しく事業を開始したときや、会社の状況に変更があったとき、あるいは特定の税制上の優遇措置を受けたいときに、税務署などに対して事前に提出する書類です。
代表的なものとしては、事業の開始を知らせる個人事業の開業届出書や法人設立届出書、税金面で優遇措置を受けられるようにするための青色申告承認申請書などが挙げられます。
また、近年の実務で欠かせないものとして、適格請求書を発行するために必要な適格請求書発行事業者の登録申請書があります。
これらは、提出を完了しなければ、特定の法的な権利を得ることや特例を適用することができません。
届出書の作成方法
届出書の多くは、国税庁のホームページ等から指定の様式データをダウンロードし、事業者の基本情報や目的とする特例の選択欄にチェックを入れて作成します。
作成の手順自体は比較的シンプルですが、提出期限が設定されていることに注意してください。
たとえば、新しく設立した会社が事業の開始時から青色申告の特典を受けるためには、原則として設立の日から3ヶ月以内または最初の事業年度の末日のいずれか早い日の前日までに届出を完了させていなければなりません。
まとめ
今回は、税務書類の種類や、それぞれの作成方法について解説しました。
税務書類の作成には専門的な知識が必要となる場面が多くあります。
また、提出には期限が設けられていることがほとんどです。
自社が提出しなければならない税務書類が分からない場合や、作成方法にお困りの場合には、税理士に相談することを検討してください。
